お金の知識を深めようと、インターネットの世界に広がる情報の海へと飛び込んだ私。
その圧倒的情報量に目を瞠ります。
「貯金100万 方法」
例えばこんなキーワードでググります。
すると、まだ検索をかけてすらいないのに、
キーワードの下にたくさんの別キーワードが表示されます。
これをサジェストキーワードというのですね。
このサジェストキーワードがまた何とも思わせぶりなんです。
・貯金100万しかない
・1年で貯金100万 すごい
・貯金100万貯まったら
・貯金100万貯めると人生が変わる
・少ない収入でお金を貯める方法
などなど。
「貯金100万 方法」で検索ようとしてるのに、早くもそれをそっちのけにして
見に行きたくなるようなキーワードのオンパレードです。
どうにも逸る気持ちを抑えることができません。
ところがGoogleの本領はここからです。
検索してスクロールで上がってくるのは広告記事、サイトの記事、まとめ記事、ブログ記事
などあらゆるテキスト記事が網羅されています。
当たり前のことなんですが、これが目移りすること甚だしい。
ここから終わりなきネットサーフィンが始まります。
無尽蔵のコンテンツはテキストだけにとどまりません。動画コンテンツも含まれます。
これがまたスゴい。
クリックするとYouTubeに飛ぶわけですが、
そこにはまた関連動画がズラリと並んでいるわけで…
枝葉は無限に広がっていきます。
並んだサムネイルたちは
「ここクリックして〜クリックしてぇ〜」
と訴えかけているようです。
このようにネットの中では情報がシャワー、いや滝のように降り注いでくるのです。
これら動画、いわゆる教育系とかビジネス系、投資系などと言われる
ジャンルの動画群なのですが、私はこれにハマりしました。
私のYouTubeへの古すぎる認識がいけないのですが、
なにせそれまでの私にとってのYouTubeは、
犬や猫だったり、誰かがコケるような映像の断片集合体というイメージでしたから。
ところが知らないうちにYouTubeは完全に別物化していました。
企画、構成され、制作され完結した情報提供コンテンツ群だったのです。
各コンテンツはサムネイル時点でどんな内容なのか、誰の発信なのかを
バンバンアピールしてきます。
発信者の顔とデカくて太いフォント文字、そんなサムネイルが押し出しを競っています。
なるほどこれか。
私の中のユーチューバーとかインフルエンサーという言葉に実感が伴った瞬間です。
どんだけ時代に遅れてんだ?と突っ込まれそうですね。
それだけテレビにどっぷりと浸かっていたということなのでしょう。
驚きはしたもののYouTubeはテレビと同じく動画ですから、視聴に抵抗感は感じません。
気付けばネットにおける私の勉強は、動画視聴の割合が増えていました。
ただ、どんな動画でもいいというわけではありません。
一応私も映像を作る側にいた人間なので、動画を見る目にはそれなりの自負もあり
一定の質を求めるところがあります。
そんな私から見ても、一部のユーチューバーたちが仕上げるコンテンツは
よく出来ていると思います。
たとえツッコミどころがあっても、まとまりやバランスに欠けていても
伝えることに徹するという意味で潔く、一点突破的で
シンプルかつストレートな動画が多いです。
その中で私の心を最初に捉えたのが「中田敦彦のYouTube大学」(以下「YouTube大学」)
です。
話が非常にお上手なので、勉強なのに気軽に楽しく学べてしまうところが気に入りました。
さすがです。
と言いながら実は私、それまで中田さんのことはほとんど何も知りませんでした。
オリエンタルラジオというコンビ名で、踊りながら武勇伝武勇伝と言う(古いですね)。
知っているのはその程度で、通しでネタを見たことすらありません。
それどころか「PERFECT HUMAN」という曲がブレイクしたことも
知りませんでした。(後で知って驚きました)あんなにテレビを見ていたのに…
バラエティやお笑い番組はほぼスルーしていたので、すれ違いが続いていたのでしょう。
よって私にとっての中田さんはテレビからYouTubeに来た人ではなく、
最初からYouTubeの人でした。
初めて接するその話術、プレゼン力の高さにオドロキました。こんな人がいたんだと。
お金に関する動画のつもりが、別ジャンルの歴史や漫画、社会問題に関する動画まで
ついつい見てしまう。そんな魅力が中田さんのコンテンツにはあります。
こうして私のYouTubeにおける最初の先生は中田さんになりました。
二人目の先生は両学長です。
「YouTube大学」はお金の情報に特化したチャンネルではありませんので
お金にまつわる動画の数は必然的に限られます。
「YouTube大学」のお金がらみの動画は2回づつ見たんだけど…どうしよう?
となった時に私が次に選んだのが両学長の「リベラル・アーツ大学」(以下「リベ大」)
です。
「リベ大」はお金の情報に特化したチャンネルです。
「それでは今日も元気よくお金の勉強をしていきましょー」
から始まるコンテンツがものすごくたくさんあります。
私のような初心者でも初級編から見ていけば難しくありません。
情報を紹介するだけでなく、その元になる考え方から説明してくれます。
その考え方が私にマッチしたのだと思います。
視聴するほどに、学長のお金に対する向き合い方やバランス感覚への共感度も
増していったように思います。
この2つのYouTubeチャンネルには今でもお世話になっています。
両チャンネルともメジャー過ぎてオリジナリティも何もないのですが、
だからこその王道ということで。
私はオススメします。
関連キーワードや動画にとどまらずGoogleはさらなるお節介を焼いてきます。
第三の刺客、それは本です。
検索画面をスクロールしていくと本の記事が転載されたり、
関連書籍が画像付きで表示されます。
例えば「節約」と検索してメニューをショッピングに切り替えると
出てくる商品の半分は本だったりします。
「なるほど動画ばかりではいけない。実際の本も読まないと。」
そう反省する私。
よ〜し何を買う?どれが役に立つ?
書評やクチコミを頼りに買うべき本を絞り込んでいきますが、
そこであることに気づきます。
そう言えば動画にも本を解説したり要約したりしたのがあったよな。
そうなんです。
「YouTube大学」も「リベ大」も、お金にまつわる良書を取り上げた回がありました。
ようし、本選びに動画も活用しようではないか。
判断材料は多いに越したことはありません。
どれどれ…早速本の紹介動画を視聴します。
ポイントを絞ってわかりやすくまとめてあります。
なるほどこんな本なんだ。
ってか、これって書評というより要約じゃね?
本選びの参考にするつもりが、
動画を見るだけで、その本をいかにも読んだような気になるではありませんか。
わかりやすっ!早っ!そして楽ちん。
本を読むよりもうこれだけ見てればいいんじゃない?
そう思わせるものがあるのです。
おやおや…本末転倒な話になってきました。
これでいいのでしょうか?
これは読書体験ではないし、紹介者というフィルターを通した要約であって、
本から直接情報を入手することとは別物です。
この方法で正しく教養が高められるのか?本当に身になるのか?
イマイチわかりません。
イージーなことだけは確かで、そこに危険性を孕んでいるようにも思えます。
一方で効率性、さらには娯楽性まで兼ね備えているのです。
これをどう判断すればいいのか?
それを天秤にかけて私が下した結論、それは本の要約動画はアリ、というものです。
たださすがに本は一切読まず要約動画のみ、というのはマズイと思い
折衷案を採用することにしました。
本当に読みたい、読むべきと思った本は購入し、それ以外は要約動画のみでも可、
としたのです。
さらにひとつの本についてなるべく複数の紹介者の動画を見ることにしました。
ただ、これでも異を唱える方は多いと思います。
読書の軽視だ、冒涜だ。
そんな声も聞こえてきそうです。
実は私もこれまで多くの本を読んできました。読書自体は好きなのです。
主に読むジャンルは直木賞系の大衆小説ですが。
さすがにこの種の本を要約動画で、などとということは私にとってもあり得ません。
ただ今回要約で済ませようとしている本はこうした文学作品ではなく、
いわゆる自己啓発本やビジネス書にあたります。
こういった本であれば要約動画も最悪ありなのでは、と私は考えました。
これ、自己啓発本を低く見ているわけでは決してありません。
ただ自己啓発本と小説とではその目的が違うのではないかと。
自己啓発本をウィキペディアで引いてみるとこんな感じです。
(自己啓発書とは、人間の能力向上や成功のための手段を説く、
自己啓発を目的とした書籍。)
向上や成功が目的なのであれば、向上や成功に寄与すればいいわけです。
たとえその本自体に目を通していなかったとしても。極論かもしれませんが。
後ろめたさを感じつつも私は大きく割り切ったわけです。
そうしたくなる理由が動画にはあります。
圧倒的な時短、取っ付きやすさ、要約の外注などです。
これらはなるべく短い時間で、それも「やる力」なしで自己変革したい私にとっては
たまらない魅力なのです。
実際の本を手にとって挫折するくらいなら、たとえ動画からであろうと、要約であろうと
大雑把でもいい、有益な情報が手に入れば。私はそう決めました。
動画だからこそ可能な、現代ならではの学びがある。
その可能性に今回は賭けてみたのです。
やがて私はブルートゥースイヤホンを買いました。
これで家事や自炊したりトイレに入っている間も教育系や本要約の動画を聴くことが
出来るようになりました。この手の動画は音声だけでも内容が伝わるものが多いのです。
聞き流し用と明記しているコンテンツもありますしね。
こうしてスマホと本を交互に手に取り、時にはイヤホンで聴きながら学習する
そんなスタイルが確立されていきました。
もちろんここまで「やる力」の出番は一切ありません。
お節介なGoogleが推してくる情報に興味本位で接するだけですから。
こうして記事を読み、本を手に取り、動画を見る、もしくは聴く。
自由な時間の大半が情報収集という、なかなか偏った生活が始まりました。
次回はその中でいろいろとわかってきたことをお話できればと思います。
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