自炊による支出減が頼りの貯金生活。
着実だけれども時間のかかる状況に焦りを隠せない私は
今の給料を少しでも増やせないか、画策を始めます。
ブログ名の通り、私はアルバイターです。
前にも書きましたが、正社員を固辞して、敢えてアルバイトという働き方を選んでいます。
簡単に言うと接客業務だけに集中、社員としての他の業務は不要という選択です。
時給は泣いても笑っても1100円。
働いた時間だけ給料が支払われるという、実にわかりやすい構造です。
社会保険には加入させてもらっているので諸々の控除はありますが。
つまり、収入アップは働く時間を増やすことでしか実現しません。
会社は1日◯時間、週◯◯時間に収まるようなシフトを組みますから、
それに沿って働いても月収は固定化していき伸びません。
要はどのくらい残業を上乗せできるか、もしくは休日出勤か、
そんな物理的な労働時間延長こそが唯一の伸びしろなのです。
残業など有難くないもののはずですが、
この頃の私は、なにせ貯金アップのためなら自らに40連勤を課すほどの男ですから
むしろ残業がないなんて物足りない、残業ウエルカムなのです。
厚労省は働き方改革で長時間労働の解消を呼びかけますが、
私のベクトルは真逆です。
残業カモーン!
逆向き働き方改革、断固推進なのです。
とは言え…
組織の末端たるアルバイト風情が残業を自在にコントロールなどできません。
残業には正当な理由も、上司の許可もいる…
どうしたものか。
そんなある日、職場の責任者からアルバイトスタッフに声がかかります。
日々のコロナの蔓延状況でホテルの予約が急に減ったり、
また戻ったりしてなかなか安定しないため
半月スパンで組んでいる現在のシフトだと、予約状況に即したフレキシブルな対応ができず
人件費に無駄が出てしまいます。
そこをなんとかしたい、という相談です。
要は一度シフトで決まった休日を予約状況によって後で再調整したい、
直前になって
「ごめん、明日の休日、別の日に変更できない?」
あるいは
「明日は出勤予定だったけど、お休みで。」
そんなお願いをしてもいいか、ということなのです。
ところが固定の曜日を休日にしている人にすれば休みのリズムが狂いますし
そうでなくても休日には個々の予定や理由があるわけで、
なかなかすんなりとは決まりません。
こんなことが3回ほど続きました。
そこで私は気づいてしまったのです。
何に?
休日変更を積極的に受け入れる方が収入アップの可能性が高まることにです。
休日変更の目的は、より暇な日は人数を減らし
より忙しい日に集中させて働かせることです。
働く日がより忙しくなるのなら、残業の可能性も上がるはずなのです。
ましてやその日が休日だった人に、休日変更して出勤してほしいと
申し入れたにもかかわらず、それを断られていたとしたら…
必要な頭数より少ない人数で業務をこなすことになり、これまた残業に繋がりやすくなる。
私はシフト変更を積極的に受けることにしました。
アルバイトの休日設定は大まかに以下の2通りです。
ひとつは先程も出た曜日固定。
もうひとつが基本的には会社が決めるシフトに従うが、
どうしても休みたい日がある場合は前月に翌月分の希望休を申請する、というもの。
曜日固定は勤続の長いベテランアルバイトに多い設定です。
「自分はこの曜日は休みと決めとるんじゃー」
という感じですね。
一方希望休を申請する場合、申請用紙にその理由も書き込みます。
つまり少なくとも形式上は予定があるから休む、ことになっているわけです。
まあこういう状況ですから、結局休日変更って、
お願いする側の上司としてもなかなか頭の痛い調整ごとなのです。
そこに目を付けた私は、曜日固定も前月の希望休申請もしないことにしました。
休日の設定はおまかせします。上司の都合のいい日にどうぞ、と委ねたのです。
好都合なことに私の場合、たとえ明日が急に休みになっても
副業のシフト担当部長が大喜びで翌日の交通誘導を手配してくれるのです。
こんな副業を持っているのは当然私だけ。これは強みです。
とは言え、私のようなスタンスを取っているアルバイトは他にいないので、
会社が目指すフレキシブルなシフトは思うようには進みません。
そこで会社はセクションを跨いだシフトを組む、という戦法に出ました。
「今日のあなたはいつもと違うこの現場で働いてね」
という方法です。
基本アルバイトは正社員のように異動がなく、現場はほぼ固定化されています。
変更してもいいいのですが、固定化した方がスキルを高く保てて効率がいいのです。
なので和食レストランのアルバイトは基本和食一本槍。
それを今日は洋食だ、明日はカフェだ、などと
いつもと違う現場を指定する。
つまりは現場の垣根を超えた横の動きで労働力を最適化しようという狙いです。
しかしこれも心理的ハードルが高い。
他現場への応援に行くということは、
慣れない場所で、慣れない人と、慣れない仕事をする、ということなのです。
あからさまではありませんが、これを渋ったのはベテランアルバイトの方々。
ベテランになるほど、そのセクション内でのエキスパート性は高まります。
その特化されたスキルの高さこそが売りなわけですから、
勝手の違う職場環境に抵抗感を示すのも頷けます。
当時の私は転職2年目でしたし、
休日変更は進んで受けるという姿勢はすでに確立していますから、
「ここはもう一歩踏み込もう」
そう決意し、ベテランの皆さんを気遣うふりをして、
他現場応援もどんどん買って出るようにしたのです。
こうして私の休日は流動的、働く現場も流動的になっていきます。
ここまで来ると、会社に対しての自分の売りが何なのかが見えてきました。
・時間の融通が利く
・どこでも働く、何でもやる
・体力的、精神的にへこたれない(40連勤男ですので)
・渋らない、文句を言わない、むしろ笑顔
まあ、何と使いやすい従業員でしょう!
こうなると会社は私をいいように使い倒します。
事あるごとに私頼み。
「もうちょっといてくれる?」「この日、午前中だけでも出られない?」
私はいいように使われたいわけですから、もちろん笑顔で即OK。
ほ〜ら、労働時間も伸びるというものです。
こうして私の逆向き働き方改革は大成功!
「とことん使いやすい駒になる」
我ながらいいところに目をつけたなと思います。
このあたりの考察は長くなりそうなので次回に譲ります。
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