人生初の弁当自作の影響は、昼食代の節約にとどまりませんでした。
弁当作りに合わせて夕食の自炊のハードルも下がり、その頻度が高まります。
外食やテイクアウトはほぼなくなり、
出来合いのおかずやインスタント食品の購入も減りました。
ただ夕食の自炊については、当初は日々の献立に悩まされました。
そんなときはもちろんネットで調べるわけですが、
初めて料理というカテゴリでネット検索してみてオドロキました。
食に関する情報のあまりの多さに。
レシピや献立に関するものだけでも、文字やら動画やら企業やらカリスマやら…
目眩がするほどの情報量です。これは料理という情報への需要が高い故でありましょう。
なるほど。この悩みはたとえベテラン主婦のみなさまでも避けることが難しい
奥の深〜い普遍的な悩みだと思われます。
膨大すぎる情報をふるいにかけるために私がまずやったこと。
それは検索ワードに「簡単」という文字を付け加えることでした。
どうやら私は弁当は作る、自炊も試みる
しかしながら料理そのものが好きか?と言われれば、そんなことはない。
私には同じく一人暮らしをしている兄がいますが、
彼は料理やレシピを検索する際に「簡単」というワードは使ったことがないと言います。
羨ましいが、仕方ない。
①手間も時間もかけないシンプルな料理
まずこれが、私が自炊するために必要な条件として浮かび上がりました。
浮かび上がってきた条件は他にもあります。
私はもうかれこれ10年以上、夕食に米を食べない生活を続けています。
きっかけは40代前半の頃、私の体重が82キロにまで増えたこと。
とにかく仕事が忙しく、夜中近い時間に帰宅して
コッテリした食事をビールで流し込む。そしてそのまま床に就く。
そんなストレスフルな生活が原因でした。
これはマズいと思った私は、炭水化物の摂取量を減らすことにしたのです。
実際はビールはやめられないので夕食だけでも米を控えただけなのですが。
(米以外にパンも含まれます。できればうどんやラーメン、パスタなどの麺類も)
じわじわながら確実に効果はあり、現在の体重は64キロ。
10年ほどかけて20キロ近い減量に成功したのです。
話が逸れますが、これっていいダイエット法だと思うんですよね。
本当に夕食だけ炭水化物の摂取を控えただけで、
おかずはお腹いっぱい食べますし、晩酌もします。
さらには、たまにある「カレーの日」などは例外扱いでお米解禁になりますから、
節制するという意識は特に必要としません。
ダイエットでお悩みの方は、みんなこれをやればいいんじゃないかと思いますね。
オススメです。
話を戻します。
要は私の献立には丼物とか麺類とか、漬物などご飯ありきの献立は
入れられないわけです。
めんたいこがあればご飯をいくらでも食べられる。
これができれば簡単でいいんですけどね。
つまり、
②炭水化物なしが前提
この条件も満たす献立でないと私の自炊は成立しません。
これって何気に難易度高いと思いませんか?
世の中の料理にはご飯物や麺類、もしくはそれと一緒に食べることを前提としたものが
大きな割合を占めているのです。
しかも簡単、時短でないと絶対に続かない。
私はこの難局をどうやって乗り超えたのか?
それは逆転の発想、であります。
自炊、節約の重要性に目覚めた私は、役立つ情報を得ようと
日夜ネット検索に励んでいました。
その中である方のコラムに目が止まったのです。
その方は稲垣えみ子氏、であります。
元朝日新聞の記者だった方で
現在は退職しフリージャーナリストとして活躍されています。
年齢はほぼ同じ、さらには朝日新聞の記者という肩書を捨てている。
私は興味をそそられ、稲垣氏のコラムを読み始めました。
そこで氏の現在の暮らしを知ることになるのですが、
これがすごいのです。
「ない」ことに完全に振り切った生活をされており、
風呂なし 収納なし、冷蔵庫なしの生活を謳歌されております。
氏の説明はこのくらいにして、
(もっと詳しく知りたい方はどうぞご自身でお調べください、面白いですよ)
その稲垣氏が食している日々の献立
というか食生活の元になる考え方の一端が私にヒットしたのであります。
それは
「ワンパターンでも飽きない」
というものでした。
なるほど!
私が料理に合わせればいいのか、昨日と似たようなものを食べても良いと。
というか、既に私は日々の弁当でワンパターンを確立しているではないか?
それが飽きないことも、うまいことも実証済みではないか?
な〜んだ
悩みとは献立にはバリエーションが必要だという単なる思い込みに過ぎなかったのです。
当初は無限にあると思われたレシピ情報ですが、
難しい2つの条件が重なると
ある程度限られたレシピしか残りません。
いやもっと探せば、研究して編み出せば、本当はあるのかもしれません。
でも料理好きではない私ですからそれは無理。
であれば、同じものを毎日飽きずにおいしく食べることで、
献立を考えるという行為自体を無くしてしまえばいいのです。
それならできる。
私は確信しました。
もちろんたまにはパスタやカレーも食べますし、まれに外食だってする。
なので現代日本の豊かな食文化を諦めたわけではありません。
「ノーマルな日は似たようなもの食ってていいんじゃね?」
そんな感覚です。
今は主に豆腐、かつおぶし、鶏ムネ肉、しゃぶしゃぶ用豚肉、ねぎ、玉ねぎ、小松菜
ほうれん草、水菜、春菊、卵、もやし、納豆、塩サバ、めざし、刺身、ブナピー、わかめ
ハルサメ、シラタキ、生姜、キャベツ、白菜、シイタケ、しめじ、トマト
などを使って献立を組んでいます。
ここでお断りがあります。
私がヒントにした稲垣氏のレシピや考え方についてであります。
それは旬や栄養や食材の再利用などの要素が集約され、氏の生き方が大きく反映された
非常に懐の深いすばらしいものです。
私の食への雑な考え方と決して混同しないようにお願いいたします。
ヒントにしたのは
「ワンパターンでも飽きない」
この1点のみなのであります。
このようにして我が家のエンゲル係数はグーンと下がったのであります。
そしてこの支出減こそが
貯金を増やすもう片方の重要なエンジンであることに気付きました。
「収入が伸びずとも、支出を抑えれば貯金はできるのだ」
増える速度は鈍りますが、皮算用でニンマリの日々はまだまだ続くのです。
本業ホテルの給与補償と副業交通誘導のダブル収入の頃には
「とにかく逃げろ、このスーパーボーナスステージを使って大逃げを打つしかないのだ」
そう思い込んでいましたが、再び目の前がひらけたのです。
ではここで恒例となりつつある「やる力」チェックです。
弁当作りと自炊に「やる力」を使ったのか?
答えは今回もNOです。
苦じゃなかったです、全く。
それは無理のない自炊に徹したからだと思います。
やれることをやれる方法でしかやらないのです。
早起きが早起きでなかったこともそうですが、
簡単レシピやレパートリーを減らすことで
難易度や億劫さは格段に下がりました。
何事も無理は禁物です。
無理をしなければ「やる力」の出番もありません。
それともう一つ、
「このくらいクリアできなければ、この先もっと人生を変えていくことなどムリなのでは?」
大げさですが、何となくそんなことを考え始めたのがこの時期だったような気がするのです。
変わらない、変えられない日々を過ごしている頃は
・変えたい主命題に対して
・真正面から大きく振りかぶって
・エイヤッと挑む
でなければならないと思っていました。
例えば
「収入アップのためには転職だ」
みたいな…。
なので
「50代後半の転職で収入アップできるのか?」
一瞬でそんな壁に突き当たってしまう。
そんな旅順要塞正面突破的方法ではなく、
枝葉のような、関係ないような、小さなことから変わる。
でもそれらは実は主命題にもちゃんと繋がっていて、やがて人生は大きく動き始める。
そういう仕組みなのではないか?
だって振り返るとそうなのです。
・副業アルバイトを思い立つ
・ラッキーにも交通誘導の仕事にありつく
・予想外の月収アップで貯金モードへ
・自炊で節約の重要性を知り、貯金モードをキープ
この4つの出来事には時間差がありますが、
「お金が増える」という串のようなもの、つまり主命題に貫かれた上で積み重なっています。
これ以外にもいろいろと細かい選択や決断をした上での今なのですが、
つまりは段階の積み重ねや関係なさそうな小さなこと、その集合体が
「オレの人生、変わってきたぞ」という実感をもたらしているのです。
逆に言えば人生が変わるには、多岐にわたる小さなことまでが関係しているということ。
どうやら間違いなさそうです、この考え。
そしてそして、
「このくらいクリアできなければ、この先もっと人生を変えていくことなどムリなのでは?」
この考えを持つようになった私。
なんだかエラソーですね。欲が出始めていますね。
今後も大きく変わっていく気マンマンなのであります。
変化の自覚、変化の初歩的なコツみたいなものを
ここまでの小さな成功体験で得たような気がします。
小さくても大きい、それは成功体験。
「オレ、コツがわかりかけてきたかも」
そんな心境でしょうか。
ボーナスステージが終わってさらに数ヶ月が過ぎ、2020年の末を迎える頃、私の皮算用に
100万円、つまり
1,000,000
という数字が、おぼろげながらその輪郭を現し始めました。
貯金100万円
夢の数字です。
貯金100万円
これだけですでに何かを成し遂げている感が半端ない。
貯金100万円
そこまで行ってみようじゃないか。
貯金100万円
掲げただけで、生き方のクオリティが少し上がったような気がします。
私に起こった自分内革命。
その最初のうねり、第一章はこのあたりまでです。
ここからは一旦地道モードに入ります。
100万円に向けた貯金の増え方もそれなりですからね。
そんな地道な日々の中、ある環境的変化が訪れます。
ところがこの環境変化こそが、
自分内革命第二章の導火線の役割を果たすことになるのです。
一体何が起こった?
次回をお楽しみに。
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